NO.49 / 2000年3月
東海村のある主婦からのメッセージをご紹介したい。
その方はあのJCOの臨海事故の際、子どもを連れて他県へ避難したそうだが、
後日「事故の際の県外避難の必要性」を行政に提案したところ『そういう人が
いるとパニックになる!』『国や県の指示に従うべき!』と避難され、さらに
『この土地に住む以上よけいなことは言わぬように』とまで言われてしまった
という。
“原子力は安全”という神話を守るために「言論や思想の自由さえもつぶされ
ていく・・・」と身にしみて感じ、「被害の不安もさることながら心の苦しみ
も又かかえて生きています」と言葉を結んでおられた。
しかし最後に「もう一度行政に伝えてみます」という一言がつけ加えられてい
たことを敬意をもってご報告しておきたい。
- 先日、小金井で元福井県高校教諭の岡本勲氏に来ていただき放射能の
勉強会を行ったが、この方は在職中の1990年に1年がかりで『原子力発電
と放射能』という副読本を他の教員と共に製作した。
教科書では原発の危険性や放射能の人体への影響には全く触れておらず
「これから原発で働く生徒にとって、被爆の知識は不可欠」との考えからだ。
ところがいざ授業で活用し始めた矢先、校長から『内容に公平さをかく』とし
て使用を中止させられ、そのほとんどを廃棄処分されてしまったという。
小金井市民の私たちがその残り少ない副読本を使って授業をしていただくとい
う栄誉に浴したのであった。